2004(平成16)年7月 性同一性障害者の性別「特例法」が施行されます !
 自分の性別に違和感を持ち、受け入れられずに苦しんでいる人がいます。男性である、女性であるという意識と肉体的な性別が気持ちの中でしっくりいっていない状態、あるいは受け入れられない状態にあることを性同一性障害といい、近年、医学的治療も始められています。
 しかし、外見と法律上の性別が違うため、就職や住宅の賃貸を断わられたり、入国審査でトラブルになるなどの差別や偏見があります。
 差別や偏見には、理解不足も背景にあります。最近、人権部に寄せられた相談(髪型など外見上の理由から解雇されそうになったという性同一性障害者からの相談)も、人権問題としての啓発により、会社の理解が深まったことで、解決が図られたというケースです。
 2003 (平成15) 年に制定された「性同一性障害者の性別の取扱の特例に関する法律(以下「特例法」という。)」が、今年の7月16日から施行されます。これによって、性同一性障害者の方々の人権が尊重される社会に前進したと考えます。

●「特例法」はどんな内容の法律?
 性同一性障害者に関する法令上の「性別」の特例を定めています。具体的には、2名以上の医師の診断を受けた次の1から5の要件全てに該当する人が、「性」の変更申請を家庭裁判所に請求できます。
 1 20歳以上であること
 2 現に結婚していないこと
 3 子どもがいないこと
 4 生殖機能が無いこと
 5 他の性別の性器に近似する外観を備えていること

●外国ではどうなっているの?
 1970年代からヨーロッパの国を中心に法的地位の保障に取組んでいます。
 1 立法による国、と
 2 判例等による国
があります。
 1は、スウェーデン、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコ、ニュージーランド、イギリス、アメリカやカナダの多くの州など、2は、フランス、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、オーストリア、韓国などです。

 性同一性障害と診断を受けても、身体的性別に対する違和感や反対の性へ同一化させたいという気持ちには、人により強弱があります。違和感や同一化の気持ちが強い人は手術などで一致させますが、服装などを心理的な性に合わせることで生活している人などもおり、さまざまです。
 私たち一人ひとりが、性に対する理解を深め、差別や偏見のない社会をつくっていきたいものです。