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企業の人権に配慮した取組み事例
4.障害者の積極的な雇用に
取組んでいる企業
  
 障害のある人も、ない人も、社会の一員としてお互いに尊重し、支え合いながら、 地域のなかでともに生活する社会こそ当たり前の社会であると言う考え方があります。これをノーマライゼーションといい、社会に広く定着させていかなければならない理念であり、雇用においても障害のある人とない人が一緒に働くことが理想です。

 しかし、現状を見ると、残念ながら朝夕の通勤ラッシュや公共交通のアクセシビリティのため、また、バリアフリー化が充分に行き届いていない建物などが多く存在しているため、障害者が都心の企業へ通勤することは容易ではない状況があります。

 こうした中で、積極的に障害者の社会への参画を促す工夫を行い、実践している企業があります。

No.1 重度身体障害者の在宅勤務の仕組みを考え、実践した
−沖電気工業 株式会社−

 取組みのポイント

 沖電気工業株式会社は、1996(平成8)年に社会貢献推進室を設置し、障害者の就労支援を取組みテーマのひとつにした。2年後の1998(平成10)年に、(社会福祉法人)東京コロニーの「IT技術者在宅養成講座」修了生3名を雇用し、完全在宅勤務チーム「OKIネットワーカーズ」を発足させた。
 2003(平成15)年8月現在、13名を雇用しており、障害者の社会への参画を促す活動となっている。
 沖電気工業株式会社の概要
 1881(明治14)年に日本初の通信機器メーカーとして創業。現在では全世界に展開し、通信システムだけでなく情報システム、電子デバイスといった分野で最先端テクノロジーと製品を提供。
 資本金は約678億6千万円、従業員数は、約6,100名

 沖電気工業株式会社の取組み

(1)社会貢献推進室と「OKIネットワーカーズ」
 「良き企業市民として真に豊かな社会の実現に向けて、考え、行動し、共感を得る社会貢献活動を実践する」ことを基本理念に、1996(平成8)年沖電気工業(株)に社会貢献推進室が設置された。この社会貢献推進室の取組に「重度障害者の就労支援」があげられ、1998(平成10)年重度障害者による完全在宅勤務チーム「OKIネットワーカーズ」が誕生した。

 「OKIネットワーカーズ」の社員は、パソコンとインターネットを駆使してソフトウェア関係の仕事をしている。
 当初は3名でスタート、現在は13名※ でチームを組んでいる。全員上下肢に障害がある。会社に通勤するのではなく、在宅勤務という形態をとっている。沖電気工業(株)としては、本人の習得技術や障害の度合いにあわせた勤務形態であると考えている。
 社員13名のうち、11名は社会福祉法人東京コロニーの「IT技術者在宅養成講座」(2年間)の卒業生である。
 メンバー間の連絡や顧客との打合せ、納品などは、主にメールと電話・FAXなどを利用して行う。各自のスキルを活かし、顧客とのコミュニケーションを大切にして業務に取り組んでおり、仕事が丁寧という評価を受けている。
 ※「OKIネットワーカーズ」発足後、5年経過したが、現在まで1人も辞めておらず、全員定着している。   

(2)「OKIネットワーカーズ」の仕組み
 社員は、沖電気グループの各社(現在5社)の在宅勤務契約社員(契約は6月ごとに更新)として採用され、給与は時給で支払われる。人事・労務・マスコミ対応などのトータルマネジメントは社会貢献推進室が行い、「(株)沖ヒューマンネットワーク」(2000年6月設立)の事業開発チームが、「コーディネーター」として各所属会社等から仕事の注文を受付け仕事のマネージメントもする。(図参照)
 メンバーは、仕事の開始時に、開始メールを、終了時には勤務報告メ−ルを「コーディネーター」と各社の人事・労務担当者へ送付する。それがタイムカード代わりとなる。
「コーディネーター」の主な役割は、以下のとおりである。
[1] メンバーの能力や勤務形態に合った仕事をグループ各社や外部の企業から
  発掘すること。
[2] 請け負った仕事をメンバーの能力や負荷の状況により配分し、品質や納期に
  対して責任を持つこと。
[3] メンバーの技術やビジネスマナー向上等の教育計画の立案及び実施(特に
  新人の教育は自宅訪問とメンバーによるOJT等で顧客に信用が得られるよう
  な厳しい指導を実施)。
[4] 「コーディネーター」なしでメンバーが仕事の遂行ができるような環境を構築す
  ること。
沖電気工業の取組み図


 なぜ、「OKIネットワーカーズ」が生まれたのか
                        社会貢献推進室長 木村さんからの一言

社会貢献推進室長 木村さんの画像
社会貢献推進室長 木村さん
 1996年に『良き企業市民』になろうと社会貢献推進室が創設されました。当社のIT技術で障害のある方々になにかお役に立てることができないか模索していたところ、東京コロニーの障害者在宅パソコン講習(IT技術者在宅養成講座)を2年間受けて、せっかくIT技術者になっても、通勤ができないため雇ってくれる会社がないことを知りました。障害者個人にIT関係の仕事を発注していたのですが、在宅勤務チームを組織した方が効率良く仕事が出来ることが解りました。OKIネットワーカーズは会社の障害者雇用率アップにも貢献しています。
 IT技術者在宅養成講座とは
  (東京都重度身体障害者在宅パソコン講習事業)

 一般の専門学校やパソコンスクールに通うのが困難な重度身体障害者を対象に、在宅で情報処理技術を身に付ける講習を、社会福祉法人東京コロニーが東京都の補助事業として1989(平成元)年度から実施している(2年間、毎年5名募集)

 (社福)東京コロニー 職能開発課課長 堀込さんからの一言
 この講座は、情報処理技術や業務知識などの学習と、実践的な演習を積重ねることによって、生き残れる技術者の育成を目指しています。加えて、就労上欠かせない社会性やビジネスマナーを身につけることも目標としています。
(詳細は、東京コロニー職能開発室まで)
(平成15(2003)年12月掲載)
社会福祉法人東京コロニー 堀込さん画像
職能開発課課長の
堀込さん

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