史料の解読と読み下し例~探索、埋蔵金

出典:「豊島村22番地島村弥三郎より徳川埋蔵金引上け願書下戻願」 「回議録・第9類・諸願伺・5 〈(庶務課)〉 」(明治10年)(請求番号:608.C5.11 )

【史料】

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解読文

   埋メ金引上ケ願書
    東京第九大区六小区
     豊島村弐十弐番地
      平民 島村弥三郎
明治元辰年徳川様ヨリ浅草御蔵
御引渡ニ相成候節、私義東京表へ下掃
除ニ相越、夜入御同所五番六番之御堀水
門脇ヲ通船之砌、御蔵御構内多人数ニ而
水中へ何カ沈メ候哉、余り騒ケ敷、右船ヲ止メ
相伺候処、箱之儘ニ而者流れ候茂難計与
申等有之、箱ヲ崩ス音并千両箱与
申者も有之、左候得者全ク金ヲ沈メ候ニ
相違無之与決心仕、其後ニ至り御同所
役人植村重三郎ニ面会之節、右之
次第承り候処、同人も驚入其方申通、
聊相違も無之、向後余人へ相語り候儀、
堅ク被差留、私甥渡辺文次郎儀も
其頃御同所へ立入候ニ付、四ケ年前ニ右之
始末柄相語り候処、同人も殊ノ外驚入、私
建言等致度趣申聞候処、同人も相
違無之ニ付、証人ニ相立候間、出願可致様
申聞候得共、其儘差扣最早拾
ケ年ニも相成候得共、未タ御引上ケ無之
者多分之金ヲ空敷御沈メ置茂余り
御無益之儀ニ付、不束之私自費ヲ以
相探り、且引上ケ候塵芥上ケ土等ハ取方(片ヵ)
附、聊も上之御差支無之様仕候間、
前顕之次第相違も無之ニ付穿
鑿被仰付候様奉願候也
 明治十年七月十四日
      右 島村弥三郎
 東京府知事
  楠本正隆殿


読み下し文

   埋メ金引上ケ願書
    東京第九大区六小区
     豊島村弐十弐番地
      平民 島村弥三郎
明治元辰年、徳川様より浅草御蔵
御引き渡しに相成り候節、私義東京表へ下掃
除に相越し、夜に入り御同所五番・六番の御堀水
門脇を通船の砌、御蔵構内多人数にて
水中へ何か沈め候哉、余り騒がしく、右船を止め
相伺い候処、箱の儘にては流れ候も計り難くと
申す等これあり、箱を崩す音、并千両箱と
申す者もこれあり、左候えば全く金を沈め候に
相違これ無くと決心仕り、其の後に至り御同所
役人植村重三郎に面会の節、右の
次第承り候処、同人も驚き入り、其方申す通、
聊の相違もこれ無く、向後余人へ相語り候儀、
堅く差し留められ、私甥渡辺文次郎儀も
其の頃御同所へ立ち入り候に付、四か年前に右の
始末柄相語り候処、同人も殊の外驚き入り、私
建言等致したき趣申し聞き候処、同人も相
違これ無しに付、証人に相立ち候間、出願致すべく様
申し聞き候得共、其の儘差し扣え最早拾
か年にも相成り候得共、未だ御引き上げこれ無く
は多分の金を空しく御沈め置くも余り
御無益の儀につき、不束の私、自費を以て
相探り、且引き上げ候塵芥上げ土等は取片
付け、聊も上の御差し支えこれ無き様仕候間、
前顕の次第相違もこれ無くにつき、穿
鑿仰せ付けられ候様願い奉り候也
 明治十年七月十四日
       右 島村弥三郎
 東京府知事
  楠本正隆殿