小笠原の自然

東京都の取組 - 外来種対策 -ネズミ駆除

ネズミ駆除の概要

 小笠原諸島のほとんどの島で、クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの侵入が確認されています(南硫黄島、西之島、北之島を除く)。これら外来ネズミ類による貴重な植物や海鳥、固有の陸産貝類等の動物への悪影響が確認されたため、関係機関が協力して外来ネズミ類の駆除作業を実施しています。
 東京都では、媒島、嫁島及び南島において、主に殺鼠剤(第一世代の抗凝血剤、ダイファシノン製剤)の人力手撒き、ドローン等による空中散布、ベイトステーション(BS)を活用したネズミ駆除を実施しています。また、センサーカメラ(SC)により外来ネズミ類の生息状況をモニタリングしています。

  • 64_p01.jpgBSに誘引されたクマネズミ
    (南島)
  • 64_p02.jpgネズミによる食害を受けた
    海鳥(アナドリ)の卵
  • 64_p03.JPGネズミによる食害を受けた
    タコノキの果実

  • 64_p04.JPG殺鼠剤のドローン散布の様子
    (媒島)
  • 64_p05.jpg殺鼠剤の手撒き散布の様子
    (媒島)
  • 64_p06.JPG殺鼠剤(10g包)

聟島列島での取組

 聟島列島では、ノヤギ排除後にクロアシアホウドリ等、中型~大型海鳥類の繁殖数が増加するなど、生態系の回復が見られました。聟島列島における自然再生の一層の促進を目的として、平成30年度には媒島、平成31年度には嫁島において殺鼠剤によるネズミ駆除を実施しました。
 事業の成果を確認するモニタリングでは、ネズミ駆除の実施の後、2年以内に陸生甲殻類(カクレイワガニなど)、小型海鳥類(アナドリ、クロアジサシなど)、植物の実生(特にタコノキ)の増加が確認できており、外来ネズミ類が生態系に与えていた影響の大きさをうかがえる結果となりました。

  • 64_p07.JPGタコノキの実生(媒島)
  • 64_p08.jpgクロアジサシの雛(嫁島)
  • 64_p09.jpgカクレイワガニの個体数と
    平均サイズが増加

南島での取組

 南島は父島列島において重要な海鳥の繁殖地で、カツオドリ、オナガミズナギドリ、アナドリが繁殖しています。他にも、セグロミズナギドリ(絶滅危惧種ⅠB類)の飛来も確認されています。
 これまでの調査で、クマネズミによる海鳥類の食害、希少植物の食害などが確認されており、クマネズミが南島の生態系に悪影響を与えていることがわかりました。そのため、南島の生態系を保全するために、ネズミ類の根絶を目標として、殺鼠剤を使用した駆除を平成23年度に開始しました。継続した駆除作業により、現在はネズミ類を低密度状態に抑えることが出来ています。
 クマネズミの生息密度が低下したことにより、海鳥類への被害の減少、植生の回復、甲殻類の個体数増加などの傾向が見られています。

  • 64_p10.JPG南島で営巣している海鳥
    (オナガミズナギドリ)
  • 64_p11.JPG南島で営巣している海鳥
    (アナドリ)
  • 64_p12.JPG回復傾向がみられる希少植物
    (オガサワラアザミ)

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